アルミ手すりは支柱内部にスチールの補強材を入れ、支柱の脚部とアンカー金物とを溶接することにより製品強度を確保しています。また部材同士をねじ、ボルト、連結金具で組み立てるため各部材との間に隙間が生じて雨水が侵入する場合や、手すり支柱内部と外部の温度差により内部に結露水が滞留することがあります。
その結果、躯体に埋設されているアンカー金物や支柱に使用しているスチール補強材が錆び、手すりに重大な強度不足を生じさせることとなります。
錆によりコンクリート躯体内の補強材が膨張したため、躯体天端にヒビ割れが発生している。
アンカー金物が錆により膨張し、支柱周辺コンクリートを押し上げ、ひび割れを引き起こした結果、コンクリートの剥離が発生している。
支柱の根元から錆水が出ていたため、アルミ支柱をスチール補強材近傍まで切断し、スチール補強材が錆びた状況を確認したもの。
アルミ手すりには多様なねじ等が使用されています。ねじが緩む原因は、アルミ手すり本体に風や地震などの繰り返し荷重がかかることが考えられています。
格子を止めているねじが抜けている。
アルミ手すりでは笠木部に人が素手で触ってもケガをしない様に樹脂部品を採用している場合が多くあります。これらのカバーは塩ビ系の材質で、経年劣化によって亀裂やささくれが発生してくるため、手を切るなどケガをする恐れがあります。
飛来物や人為的に何かがぶつかった場合にはガラスの破損を引き起こします。また、ガラスやパネルを固定している材質は樹脂系の硬化性ビードやシール材などが使われていますが、経年劣化によりひび割れ等が発生する可能性があります。
飛来物によりガラスにひび割れが入っている。