Page 9 - 会報「窓快14号」
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   特集1
      株式会社 寺本トーヨー住器 寺本社長
サッシ業界の地位向上のためにも
契約標準化活動を進めましょう
──前田社長。搬入費や取り付け費など諸経費ですが、北陸ウ インドウ様は基本的に全ての物件に計上しているとお聞きして います。その取り組み状況についてお聞かせください。
前田 以前は富山県の建材店で働いていましたが、県によって 売れる窓や求められるものが違うことを感じました。取引形態 も異なっており掛率商売に違和感があったので、福井県に戻っ て来てまず運搬費や諸経費を付ける所から始めました。最初は 諸経費を分離計上し総額を同額に設定し形式に慣れていただく ことを目的に、一年ほどかけて浸透に努めました。その後、経 費毎にコストを確認し、徐々にコストに見合った金額にしても らいました。
──人件費や運搬費を経費毎にコストを確認するのは大変で、 なかなかできないとお聞きしますが?
前田 5年前に日本サッシ協会の「契約標準化講習会」で「コス ト算出シート」と「都道府県別公共工事設計労務単価」を知り、 それを活用して自社で設定した金額が適正か検証しました。ま た、法定福利費の解説もあったので、これも計上するなど早速 活用しました。 人件費や保険料、車両費といった経費はあいまいにしがちです が、実際に算出・計上することで社内でのコスト意識も高くな りました。
──日本サッシ協会の講習会が役立ったと言って頂けると(お 世辞とは思いますが)本当にありがたいです。
──次に注文書の受領状況はいかがですか?
前田 注文書はもらうようにしています。新築は時間があるの で事前に、リフォームは突貫の場合もあるので事後になる場合 もありますが。
しかし注文書をもらえない場合もまだあり、「注文書を下さい」 と言い続けています ( 笑 )。もらえない場合は最終の見積書に捺 印やサインをもらうようにしています。
──見積書に捺印やサインでも通用します。それでは取引基本 契約書の締結状況はいかがですか?
前田 新規先は必ず締結していますが、既存先は規模の大きな 一社以外はほとんど締結していません。
──取引基本契約書を締結したがそれでもお金を払ってもら えないことがあったとのことですが?
前田 最近ですが新規取引先できちんと契約書を交わし会社と してしかるべき対応もとったつもりでしたが支払ってもらえて いません。十数万円なので裁判する方が金がかかるので悩んで います。新規取引先に前払いでとか、手付をもらいますとは言 いにくいので、新規契約は手付金として〇%という設定を協会 として示してもらえると助かります。
──最後にこの活動に期待することはありますか?
前田 取引基本契約書の締結、注文書の受領、諸経費の分離計 上は本来当然の話です。それができていないこの建築業界が少 しおかしいと思います。またサッシ業界の立場が低いと感じる ことがあります。サッシ業界の地位向上のためにも業界を上げ て契約標準化活動を進めることが重要だと思います。
< 筆者感想> ──福井県でも着々と契約標準化活動が前進していると感じ ました。寺本社長、前田社長からは他にも協会活動の参考にな るご意見を多数頂きました。本当にありがとうございました。
北陸ウインドウ有限会社 前田社長
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住宅サッシの契約標準化活動について
 












































































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