Page 8 - 会報「窓快14号」
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   北陸ブロック
 インタビュー
 一律に行うのではなく 客先に合わせて対応することが大切
 契約標準化活動の事例紹介として新潟県の活動事例を会報 に掲載してきましたが、今回は北陸ブロック福井県の活動事例 を紹介します。当初は新潟同様座談会を実施する予定でしたが コロナ禍のため、インタビュー形式にて、株式会社寺本トーヨー 住器 寺本富二夫社長と、北陸ウインドウ有限会社 前田武彦社 長に個別にお話をうかがいました(以下敬称略)。
──寺本社長。契約標準化の取り組みでカギになるのが、搬入 費や取り付け費など諸経費の扱いです。寺本トーヨー住器様の 現在の取り組み状況についてお聞かせください。
寺本 当社では新しいお客様との取引開始時には必ず諸経費 を提示し、諸経費を取り決め、都度請求を行っています。
──あれ、新規先だけですか?既存先の工務店様に対してはど のようにされていますか?
寺本 既存先は粗利の中で諸経費をまかなっています。正直な ところ、諸経費を計上しなくても利益が出ていれば、諸経費の 計上を急いで行わなくてもいいかと考えています。お客様とは 信頼関係で成り立っているので、信頼関係が構築できている 既存先にわざわざ諸経費計上の話をすることに少し抵抗もあ ります。
──注文書の取り交わしはいかがですか?
寺本 住宅では1割程度です。ビルの方はもう少し多いです。
注文書がないからと言って、昔のような大きなトラブルはなく、 じています。エクステリアは経費計上もしているのでサッシで
値引きの要請もありません。よって注文書を頂けない先に強く 要請することはしていません。
──それでは一番ハードルが高いと思われる取引基本契約書 の締結や付帯条件の確認はどうですか?
も必要性は感じています。しかしサッシメーカーの見積りシス テムが少し不親切です。運搬費等の経費項目の選択ができる メーカーもありますが全て手入力のメーカーもあります。金額 に至っては全て手入力になっています。諸経費の計上を推進す るにはサッシメーカーのシステムを改良するといいと思います。 サッシ販売店も色々な要望を持っているので、その要望を吸い 上げ、サッシ業界が良くなる活動を日本サッシ協会で推進して 頂ければと思います。
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寺本 工務店様も市場競争の中で淘汰されるところは淘汰さ れ、現在も商売されているところはしっかりしたところが多い と思います。よって取引基本契約書の締結、付帯条件の明文化、 注文書の受領も急いで行わなくてもいいかと考えています。工 務店様の中には請求書を出すまでもなく支払いをしてくれると ころまでありますからね。 もちろん新規の工務店様との取引は異なります。こちらは紹介 等によるものなので取引条件に応じて取引基本契約書の締結を 必ず行うことにしています。 何十年も付き合いのあるところには今更もらうまではないかな と考えています。
──信頼関係がまだできていない新規先には取引基本契約書 の締結、付帯条件の明文化、注文書の受領、諸経費の計上まで 実施するが、信頼関係が構築されている既存先では特に固執し ないということですね。
寺本 実は既存先でも危なそうな取引先はピンポイントで取引 基本契約書の締結を行っています。噂で伝わってくるので実 際に会って自分の目で見てから締結が必要かどうかを判断し ます。
──やはりポイントは、相手先によって対応を変えるというこ とですね。 最後にメーカーや協会に要望することはありますか?
寺本 リフォームの方が諸経費がかかるので計上の必要性を感
  














































































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